通り過ぎてきた時間は儚くて、てのひらに載せるとすぐに溶けてしまう淡雪のようなものかもしれない。だが私たちは、淡雪がてのひらに載った時の、そのつめたくて気持ちのいい感触だけは終世、忘れないのである。におい、色、気配、そのすべてを覚えているのである。幸福な記憶というのはそういうことを言うのだろう。
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